ポリオ撲滅にご協力ください
2017年10月
親愛なるロータリアンの皆さん、何年か前のことですが、私の娘が働いていたオーストラリア・メルボルンの博物館では「鉄の肺(人工呼吸器)」が展示されていました。私と同世代で1950 年代のポリオ大流行を覚えている人にとって、鉄の肺は、ポリオワクチンのおかげでいかにポリオ対策が進歩したかを物語る証拠です。かつての貴重な医療機器が、今では博物館の展示物なのですから。
世界の多くの地域において、ポリオのストーリーはシンプルです。ポリオの脅威に長年おびやかされた後、ワクチンが開発され、克服されるのです。しかし、世界のいくつかの地域においては、そのストーリーは異なりました。そのような国の多くではワクチンが入手できなかったり、大規模なワクチン投与は費用がかかりすぎたり、単に子どもたちに行き届かな かったのです。博物館にしまわれた国がある一方で、こういった国々ではポリオは猛威を振るい続けていました――そこでロータリーが一歩踏み出し、声を上げたのです。「どこに暮らしていても、どういう環境に置かれていても、全ての子どもたちがポリオのない人生を送る権利がある」と。
ポリオプラスが発足して数年後、ロータリー、各国政府、世界ポリオ撲滅推進活動(GPEI)が一体となって取り組んだことで、ポリオの発症件数は年間35万件だったのが、2017年にはわずか数件にまで減少しました。しかし、発症件数ゼロを達成し、維持しなくては、ポリオ撲滅は実現できません。そのためには、皆さま一人一人の支援が必要です。
10 月24 日は世界ポリオデーです。これまでに成し遂げたことを祝い、ポリオ撲滅を完遂するために人々の意識を高め、資金を募る機会です。全てのロータリークラブが何らかの形で、世界ポリオデーに参加するようお願いします。また、endpolio.org でアイデアを探したり、イベントを登録することをお勧めします。サイレントオークション、VRビューイング、チャリティーウオーク、「Purple Pinkie Day(小指を紫色に染めようデー)」など、どのような活動でも大きな変化を生み出すことができます。
今年の世界ポリオデーでは、シアトルにあるビル&メリンダ・ゲイツ財団本部でライブストリーミングが行われ、午後2 時30 分(太平洋標準時)からendpolio.org で中継されます。多くの皆さまがご存じのように、ロータリーは今後3 年間で年5,000 万ドルの寄付を約束しました。この2 倍の額をゲイツ財団が上乗せし、ロータリーが世界ポリオデーなど年間の募金活動で調達する総額を、事実上3 倍にしてくれます。ポリオ撲滅にご協力ください。そして、世界ポリオデーではみんなで変化をもたらしましょう。